アメリカミンク(Neovison vison)は北米原産の哺乳類で,日本には毛皮の生産のために導入されました。養殖場からの逃亡等により,北海道・宮城県・福島県・群馬県・長野県では野生化したことが確認されています。在来種(イタチ類)との競合や,捕食による在来動物への影響,養鶏・養魚場への被害などを防止するため,特定外来生物に指定されています。
アメリカミンクは雑食性で,甲殻類・両生類・爬虫類・昆虫類・哺乳類・鳥類・魚類・植物など,多様な食物を採食します。福島県阿武隈川では,甲殻類(アメリカザリガニ)の出現頻度が最も高く(83.1%),両生類(カエル類:34.9%)や魚類(22.9%)の割合が次いで高かったと報告されています(伊原ほか,2017)。
アメリカミンクの採食物リスト
アメリカミンクは雑食性で,甲殻類・両生類・爬虫類・昆虫類・哺乳類・鳥類・魚類・植物など,多様な食物を採食します。福島県阿武隈川では,甲殻類(アメリカザリガニ)の出現頻度が最も高く(83.1%),両生類(カエル類:34.9%)や魚類(22.9%)の割合が次いで高かったと報告されています(伊原ほか,2017)。
甲殻類
種名 | 論文 |
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アメリカザリガニ | 伊原ほか,2017 |
種不明 | 南ほか,2016 |
両生類
種名 | 属名 |
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エゾアカガエル | 竹中,2008 |
ツチガエル | 伊原ほか,2017 |
トウキョウダルマガエル | 伊原ほか,2017 |
ニホンアマガエル | 伊原ほか,2017 |
ニホンアカガエル | 伊原ほか,2017 |
昆虫類
種名 | 論文 |
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コウチュウ目 | 伊原ほか,2017 |
チョウ目 | 伊原ほか,2017 |
トンボ目 | 伊原ほか,2017 |
ハエ目 | 伊原ほか,2017 |
アリ目 | 伊原ほか,2017 |
種不明 | 南ほか,2016 |
魚類
哺乳類
鳥類
植物
引用文献
- 伊原禎雄, 稲葉修, 佐藤洋司 & 藤原かおり. (2017). 福島県阿武隈川におけるアメリカミンク Neovison vison の食性. 野生生物と社会, 5(1), 47-53.
- 南佳典, 積田有斐, 下山彩希 & 吉川朋子. (2016). 北海道東部釧路川源流域の河畔林内に生息するアメリカミンク Neovison vison が及ぼす小型げっ歯類への影響. 自然環境科学研究, 29, 1-10.
- 竹中悠. (2008). 外来種アメリカミンクによる越冬中のエゾアカガエルの捕食記録. 爬虫両棲類学会報, 2008(2), 101-103.