野鳥

日本で観察されたコブハクチョウの個体数の推移|ガンカモ類の生息調査

 コブハクチョウ(Cygnus olor)はカモ目カモ科ハクチョウ属に分類される野鳥で、日本にはまれな迷鳥として記録例がありますが、多くは観賞用などの目的で移入されたものがかご抜けし、一部の個体が野生化しています。

 ガンカモ科類生息調査で観察されたコブハクチョウの個体数は、1971年度に東京都で1羽のみ観察されています。複数個体が観察されるようになったのは1987年度からで、北海道(31羽)・茨城県(84羽)で合計117羽観察されています。

コブハクチョウの個体数の推移(まとめ)
  • ガンカモ類の生息調査で観察されたコブハクチョウの推移
  • 1971年度に東京都で初観察(1羽)
  • 1987年度から複数個体が観察されるようになる
  • 2014年度には22路道府県で380羽観察される(これまでの最大観察数)

ガンカモ類生息調査調査について

 ガンカモ類の生息頭数調査(旧:ガンカモ科鳥類の生息調査)環境省が湿地の保全や鳥獣保護区の設定等に活用するため、ガン・カモ・ハクチョウ類の冬期の生息状況、渡来傾向、保護管理を図るべき生息地等についての基礎資料を得ることを目的として調査しています。

 ガンカモ類生息頭数調査の結果は、生物多様性センター(環境省自然環境局)のホームページで公開されています。

ガンカモ類生息調査について (生物多様性センターHP)

コブハクチョウについて

 コブハクチョウ(Cygnus olor)はカモ目カモ科ハクチョウ属に分類される野鳥で、ヨーロッパ中西部・中央アジア・モンゴル・バイカル湖東部・ウスリー川流域などに分布しています。日本にはまれな迷鳥として記録例がありますが、多くは観賞用などの目的で移入されたものがかご抜けし、一部の個体が野生化しています。

コブハクチョウの個体数(ガンカモ類生息調査)

コブハクチョウ観察数の推移

 ガンカモ科類生息調査で観察されたコブハクチョウの個体数は、1971年度に東京都で1羽のみ観察されています。1987年度の調査からは複数個体が観察されるようになっており、北海道(31羽)・茨城県(84羽)・千葉県(2羽)で合計117羽観察されています。

 全国のコブハクチョウの観察数は増加傾向であり、近年は300羽前後で推移しています。なお、2020年度の調査は新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態宣言の発令に伴い、東京都は調査を全面中止、兵庫県は一部中止となっています。

2014年度の観察数(最大観察年度)

 2014年度のガンカモ科類生息調査で観察されたコブハクチョウの個体数は380羽と、これまでの調査で最も多く観察されました。22都道府県で観察されており、茨城県(110羽)・千葉県(96羽)・福島県(44羽)・山梨県(35羽)・島根県(21羽)などで多くの個体が観察されています。特に、茨城県・千葉県の観察数は全国の観察数の約54%を占めています。

2020年度の観察数

 2020年度のガンカモ科類生息調査では158羽のコブハクチョウが観察されました。16道府県で観察されており、茨城県(47羽)・山梨県(36羽)・千葉県(16羽)・青森県(12羽)・福岡県(11羽)などで多くの個体が観察されています。

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