フクロウ(Strix uralensis)はフクロウ目フクロウ科に属する鳥類であり、スカンジナビア半島・ヨーロッパ(中部・東部)・ユーラシア大陸北部・日本に分布しています。日本には北海道・本州・四国・九州の森林・牧草地・農耕地などに留鳥として生息しています。
特徴
フクロウ(Strix uralensis)はフクロウ目フクロウ科に属する鳥類であり、スカンジナビア半島・ヨーロッパ(中部・東部)・ユーラシア大陸北部・日本に分布しています。日本には北海道・本州・四国・九州の森林・牧草地・農耕地などに留鳥として生息しています。
食性
フクロウは主に小型の哺乳類や鳥類・昆虫類などを採食しますが、特にネズミ類を多く採食します。一方、市街地付近など森林の少ない地域で営巣している場合、鳥類の採食割合が高くなる事例も報告されています(森井 & 塩入, 1996)。
ヨーロッパでは1日に巣に運び込む餌の推定重量は17.1〜125g(平均43.83g)であると観察されています(Vrezec et al., 2018)。
繁殖生態
営巣場所
フクロウの営巣場所は、樹洞や切り株・他の野鳥が作った巣などを主に利用しますが、人工的に設置した巣箱も利用します(白石 & 北原, 2007)。
産卵数・巣立ち数
フクロウの一腹産卵数は中央値2.10〜4.10卵(2〜6卵)、巣立ち数は中央値1.40〜3.00羽と観察されています。産卵数や巣立ち数はネズミ類などの餌環境の良い年の方が産卵数・巣立ち数が増加することが報告されています(Pietiäinen et al., 1986., Brommer et al., 2002)。
引用文献
- 松岡茂. (1977). 北海道大学苫小牧地方演習林における冬期間のフクロウの食性について. 北海道大學農學部演習林研究報告, 34(1), 161-173.
- 森井隆三, & 塩入知子. (1996). 香川県坂出市のフクロウ Strix uralensis hondoensis のペリットの内容物について. 香川生物, 23, 15-20.
- 野口和恵, & 吉村正則. (2001). 香川県山本町におけるフクロウ Strix uralensis のペリット分析. 香川生物, 28, 27-28.
- 大迫義人. (1988). 北海道東部地方斜里の防潮保安林とその周辺における夏期の鳥類相.
- 白石浩隆, & 北原正彦. (2007). 富士山北麓における人工巣を利用したフクロウの繁殖生態と給餌食物の調査. 富士山研究, 1, 17-23.
- 只野慶子. (2000). ペリットの内容物分析によるフクロウの食性 (予報)(森林野生動物研究会創立30 年記念集). 森林野生動物研究会誌, 25, 95-98.
- 内山未来, 後藤渉, & 下岡ゆき子. (2014). 甲府市善光寺における野生フクロウの食性. 帝京科学大学紀要, 10, 31-36.
- Vrezec, A., Saurola, P., Avotins, A., Kocijančič, S., & Sulkava, S. (2018). A comparative study of Ural Owl Strix uralensis breeding season diet within its European breeding range, derived from nest box monitoring schemes. Bird Study, 65(sup1), S85-S95.
- 渡辺義昭, 渡辺恵, & 村上隆広. (2019). 市街地内の林分におけるフクロウによるタイリクモモンガの捕食とその影響. 哺乳類科学, 59(1), 79-84.
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