タヌキ(Nyctereutes procyonoides)は食肉目イヌ科タヌキ属の哺乳類で、沖縄県を除く46都道府県に分布しています。日本には北海道のエゾタヌキと本州・四国・九州のホンドタヌキの2亜種が生息しています。タヌキは主に果実や昆虫を採食しており、哺乳類や鳥類、魚類・甲殻類なども採食することもあります。
特徴
タヌキ(Nyctereutes procyonoides)は食肉目イヌ科タヌキ属の哺乳類です。沖縄県を除く46都道府県に分布しており、生息密度は安定的であると考えられています。生息地も森林地域や農業地域・都市部など,さまざまな環境に適応しています。日本には北海道のエゾタヌキと本州・四国・九州のホンドタヌキの2亜種が生息しています。
食性
タヌキは主に果実や昆虫を採食しており、哺乳類や鳥類、魚類・甲殻類なども採食することもあります。夏季には昆虫(35.2%)・植物の葉(26.2%)、秋季には昆虫(32.3%)・果実(16.1%)・哺乳類(13.7%)・人工物(13.4%)、冬季には昆虫(15.5%)・人工物(13.7%)・果実(13.5%)・葉(12.4%)・哺乳類(10.5%)と季節別の食性割合は大きく異なります。
昆虫・多足類
哺乳類・鳥類
植物
行動圏
タヌキの行動圏面積は地域によって大きく異なり、都市近郊・都市公園では0.05~0.49㎢、郊外・森林では0.85~1.38㎢です。また、季節によっても行動圏は異なり、秋には行動圏が広くなり、冬には狭くなる傾向があります(Saeki et al., 2007)。
最外郭法(Minimum Convex Polygon: MCP)
オス♂の行動圏
メス♀の行動圏
引用文献
- Abe, G., Ikeda, T., & Tatsuzawa, S. (2006). Differences in habitat use of the native raccoon dog (Nyctereutes procyonoides albus) and the invasive alien raccoon (Procyon lotor) in the Nopporo Natural Forest Park, Hokkaido, Japan. Assessment and control of biological invasion risks, 116-121.
- 松山淳子, 畑邦彦, & 曽根晃一. (2006). 鹿児島県におけるホンドタヌキの食性.
- Mitsuhashi, I., Sako, T., Teduka, M., Koizumi, R., Saito, M. U., & Kaneko, Y. (2018). Home range of raccoon dogs in an urban green area of Tokyo, Japan. Journal of Mammalogy, 99(3), 732-740.
- Saeki, M., Johnson, P. J., & Macdonald, D. W. (2007). Movements and habitat selection of raccoon dogs (Nyctereutes procyonoides) in a mosaic landscape. Journal of Mammalogy, 88(4), 1098-1111.
- 高槻成紀. (2017). 東京西部にある津田塾大学小平キャンパスにすむタヌキの食性. 人と自然, 28, 1-10.
- 高槻成紀, 岩田翠, 平泉秀樹, & 平吹喜彦. (2018). 仙台の海岸に生息するタヌキの食性-東北地方太平洋沖地震・津波後に復帰し復興事業で生息地が 改変された事例. 保全生態学研究, 23(1), 155-165.