地理データを扱う際、ポリゴンやラインが複雑すぎると描画や分析に時間がかかることがあります。そこで役立つのが、QGISの「ジオメトリの簡略化」機能です。このツールを使うと、データを軽量化して効率的に扱えるようになります。そこで本記事ではジオメトリを簡素化する方法について解説します。
記事の内容
- ジオメトリを簡素化する方法について解説
ジオメトリの簡素化とは
QGISでのジオメトリ簡素化は、空間データの頂点数を減らし形状を単純化する機能です。これによりデータの軽量化や描画速度の向上、視覚的な整理が可能です。簡素化は「ジオメトリを簡素化」ツールを使って実行し、許容誤差を設定して調整します。過度な簡素化は形状の精度を損なうため注意が必要です。
• 軽量化
データが軽くなり、描画や処理速度が向上。
• 地図作成
小さなスケール(例: 世界地図)での表示に適したデータ作成。
• 分析効率アップ
不必要な細部を削減することで、シンプルな形状で分析が可能。
ジオメトリを簡素化する方法
新規シェープファイルレイヤを追加(読み込み)
『ジオメトリの簡素化』 で使用する入力レイヤのシェープファイルをQGISへ追加(読み込み)します。シェープファイルはドラッグ&ドロップや『データソースマネージャー ー ベクタ ー 追加したいファイルを選択』で追加する事が出来ます。
ジオメトリの簡素化
『ジオメトリの簡素化』 を使用する場合には、ベクタ(O)ージオメトリツール(E)ージオメトリを簡素化を選択します。
入力レイヤ
簡略化したいレイヤーを選択します。ポリゴンやライン形式のデータが対象です。
許容誤差
簡素化の度合いを指定します。この値が大きいほどジオメトリはシンプルになります。「許容誤差」はデータの用途やスケールに合わせて調整するのが重要です。小さすぎると変化がわかりにくく、大きすぎると形状が失われます。試行錯誤しながら最適な値を見つけましょう。
例:投影座標系がメートルの場合、「10」と設定すれば10m以内の細かいジオメトリが省略されます。
項目 | 概要 |
---|---|
入力レイヤ | |
簡素化の方法 | 距離ベース(Douglas-Paucker) グリッドにスナップ 画像ベース(Visvalingam) |
許容範囲 | メートル キロメートル フィート マイル ヤード |
出力レイヤ | 一時レイヤを保存 ファイルに保存 GeoPackageに保存 データベーステーブルに保存 レイヤに保存 文字コードを変更(System) |
処理の実行と結果の確認
設定が完了したら「実行」をクリックします。
ジオメトリの簡素化の結果について
新しいレイヤーとして簡素化されたジオメトリがプロジェクトに追加されます。元のレイヤーと比較して形状が適切に簡略化されているかを確認します。必要に応じて、右クリック - エクスポート ー 新規ファイルに地物を保存(A)を選択してShapefile形式等に保存します。
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